「考える会」とは・・・?

 「登校拒否を考える会」はどなたでもご参加いただける不登校の親の会です。

 現在の代表奥地圭子が1984年に活動を始め、30年以上活動を続けています。

 不登校のお子さんをお持ちの親どうしでつながりあい、支えあい、学びあっています。

 毎月の月例会・通信発行と、相談・情報発信などを中心に活動をしています。

 東京で活動していますが、会員の方は全国にいます。小学生・中学生・高校生の親の方、不登校経験者・ひきこもりの家族の方も参加しています。

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2014年02月25日

〈3〉全国ネット誕生

 東京シューレがスタートしたといっても、はじめの1〜2年は、考える会がシューレを支えていたといってもよく、シューレ会員の親ではない親・市民の方々がよく来てボランティアとして電話番、掃除、おやつ、子どものおしゃべりなどをして下さった。なにしろ常勤は奥地ひとりで、会の協力がなかったら続けるのは難しかったであろう。
 会ではこの期に、渡辺位・松崎運之助、今は亡き八杉晴美、内田良子、若林実、野本三吉、河合洋氏など、登校拒否について、精力的に講師を招いては、学習を深めている。また、石井小夜子・鈴木利広氏たちを招いて、子どもの人権の立場からも、登校拒否に目を向けていった。日高六郎、俵萌子、堂本暁子氏にも来てもらい、教育の在り方に対して、考えを深めていった。
 この期に重要だったのは、「考える会」主催の合宿研究会である。第1回(1985年)は東京、第2回(1986年)東京、第3回(1987年)鎌倉、第4回(1988年)鬼怒川、第5回(1989年)東京と重ねて、そのあと1990年に全国ネットワークが誕生してからは、全国ネットで開催していくことになるが、合宿研には、日常の例会に来られない遠方の方がいつも会場にあふれるほど来られ、ほっとし、元気になって帰られたし、全国の経験が交流・蓄積されていった。もっとも、毎 月の例会でもホテルをとり、飛行機・新幹線で来られた人も多く、会員数はピーク時には1400名になり、名簿・発送管理のコンピューター化を図ることが検討され、中沢清氏にお世話になった。
 この時期に特筆すべき事態が持ち上がる。それは、1988年9月朝日新聞トップ記事に「20代30代まで尾を引く登校拒否症」「早期完治しないと無気力症に」という見出しで、故稲村博氏の登校拒否を病気ととらえる研究が報道され、市民団体や医療関係者有志たちで抗議の緊急集会を開いた。300人の会場に800人が詰めかけるほどだった。また、翌1989年には、足立区綾瀬の母子殺し事件で登校拒否の子どもへの冤罪事件が発生、弁護団さんの活躍で解決するが、この件についても緊急集会第2回目を開いた。つごう4回の市民団体による緊急集会を開いているが、考える会は準備から報告集まで担い、具体的な役割は大きかった。
 一方、生まれた居場所で子どもたちは、自己否定から脱し、元気に成長してい
き、その自立の姿や活動が、説得力を持ち始める。89年には、自分たちの手によるアンケートを実施、文部省のアンケートに対してとは違うのではないかと子どもとして“NO”を表現した。
 このような動きを通して出会っていった人々の数は多く、また、様々な地域で考える会や教育を考えるグループが生まれ、1980年代後半は、あちこちから、新しく誕生した会の通信が届き、「まるで燎原の火のようだね」と会話した記憶
がある。情報と交流量の多い日常に、全国的なネットワークを作ることを考え始めたのが1988年。2年の準備期間をもって、1990年より27団体で発足。3〜4年後に70団体を数えることになる。
 この期に、石川憲彦、小沢牧子、山下英三郎、斉藤次郎、その他子ども弁護団やジャーナリストの方々にも来ていただき、さらに認識を深めることができた。
 シューレの発展と全国ネットの存在により、考える会は、会員数が漸減し、それまで担っていた活動が、その二者に担われていく方向になるが、しばらくは、その全国ネットのセンター的役割を果たしていくことになった。
posted by 考える会 at 14:27| 考える会の歴史

〈2〉学校外の居場所づくり

 親が変わることで、子どもが安心して生活できるようになり、元気を回復した子たちが例会にやってくるようになった。例会は月1回しかなく、学校は行きたくないが、毎日あいていて、行きたいとき行けるところがあるといい、とその子たちが言い出した。例会の中でも、片方で、涙・涙で苦しい話が出ると共に、「う
ちでは、おだやかに夏休みみたいに暮らしているのですが、子どもが『友だちがほしい』と言っている。かと言って学校は行けない。どうしたらいいか」また、親からも「家の中でやることをやり尽くして『どっか出かけたい』と言っている」「勉強したくなったけど、学校も学習塾もいやだ、というのをどうしたらよいか」などと話が出された。まずは行くところを探したが、病院と矯正施設しかなく、無いのが幸いしたのかもしれないが、自分たちで学校外の場を創ろう、ということを考えるようになった。こうして、「考える会」の流れから居場所の必要性が持ち上がり、教師をやっていた奥地は、競争と管理の強まる学校教育ではなく、子どもがのびのびと安心して過ごせる、子どもたちで創るような場を実際的に創り出しそのことによって学校を相対化したい、との思いを持っていて、1985年3月に退職し、会のみなさんの協力を得て、居場所を創ることに踏み出す。これが東京シューレである。
 2月に『子どもとゆく』の藤田悟さんの紹介もあり、東十条駅そばの雑居ビルの一室を借りた。はじめOKハウスと名を付けたため、住宅会社と間違っての訪問客もあった。4ヶ月は、会で知り合った子たちがやって来て、無料で子どもサロンを続けていたが、6月24日に東京シューレをオープンさせた。
 それまで、自宅で会の事務・連絡をやっていたのが、その後は、東京シューレに事務局を移すことになり、楽になった反面、前にも増して、相談・来訪・手紙の量が増し、常にいるスタッフは奥地一人で、あと全員ローテーションを組んでの母親や学生さんのボランティアの中で、対応しきれない日々が続いていくのだが、この東京シューレを生み出したことが、後の登校拒否運動には大きな影響を与えて行くことになったと思う。
posted by 考える会 at 14:27| 考える会の歴史

〈1〉発足そして1・2年目

 「登校拒否を考える会」の発足には、重要な前史がある。それは、会を呼びかけた奥地が参加していた「希望会」という病院内の親の会が10周年を迎え、「登校拒否・学校に行かないで生きる」の本を刊行した、ということが関係している。希望会は、渡辺位氏のアドバイスを受けながら、登校拒否の親たちの手で自主運営されている国立国府台病院内の自助グループである。「登校拒否・学校に行かないで生きる」は、日本の登校拒否の歴史上、「道を分けた本」として親たちの間で知られる画期的な本である。それまで、治療や訓練の対象であった登校拒否を、否定視せず子どもの在り様を受け止める親たちの手で編纂した最初の本であった。出版されるや否や、ものすごい反響で、自分を希望会に入れてほしい、という要請が相次いだ。しかし希望会は病院内の親の会であり、病院側は認めなかった。そこで、病院外に、会を創り出すことにした。
 私たちは有志数人で新しい会について1983年暮れに相談し、親・夜間中の先生・「わかる子を増やす会」の学習塾の先生など8名で1984年1月準備会をもった。
 障害児教育に関わる親・教師の方々で展開している市民活動に励まされたことも付け加えておきたい。自分たちの問題を自分たちの力で、学び合い、必要な具
体的な支え合いを行い、行政や世の中の差別を取り除こうとしているその動きに、私も加わりながら私たちも始めなければならないと思った。
 2月に、市川で、希望会の親・夜間中の松崎運之助さんらと、登校拒否について肯定的に受け止める日本初の市民集会をもち、400人もの人が集まった。そこに、日常的な会をつくりませんか、というチラシを配り、3月に例会第1回懇談会を開催しておどろいた。90人もの人が来て、自己紹介だけでも大変だった。そこで、次からは、月例会の内容を毎回事務局で検討・準備、実に魅力ある1回
1回だったと思う。4月:元登校拒否の夜間中学の生徒さんのバンド演奏、5月: 登校拒否の子どもによる創作劇、6月:子どもと大人の対話集会、7月:文部省の手引き書を読む、9月:体験者で社会人になった人の話、10月:さよなら学校信仰の大集会、11月:内田良子講演、12月:親の体験談を語る、という調子である。主たるテーマのあとは懇談だが、毎回時間が足りなくて、終了後、飲み会で話し込んだ。飲み会が、50人も60人もなったりして、すごい熱気だった。はじめて来た人が、登校拒否の親の会なんてどんなにじとーっと暗いかと思って参加され、たいてい「カラッと明るい」「自然な、肩の凝らない雰囲気」と、予想とは異なることにびっくりされていた。
 文部省が1983年に出した、登校拒否の手引き書には「子どもの性格と養育者の態度が問題」とあったが、多数の家庭が集まってみると、当てはまらないのではないか、ということが見えてきた。それにとどまらず大きかったのが、閉じこもり、家庭内暴力、拒食・過食、強迫神経症、幼児返りなど、その状態が、なぜ登校拒否に絡んで出てくるか、そういう状態の子とどうつきあっていったらいいか、なども、親のたくさんの経験の出し合いと、講師との学びから、専門家に振 り回されるのでなく、親として考えることができるようになっていった。
 もっとも、問い直されたのは、親の学校信仰であり、子どもの人生は子どものものであり、子どもが登校拒否に直面したとき、この日本社会でいちばんつらいのは子どもであり、親の安心のために登校強制するのでなく、子どもを理解し、受けとめ、家庭を居場所として、その子と共に考えていくということを会では大事にしていった。このころの学校は再登校に躍起であったから、親が教師と同じ立場に立ってしまった場合の子どもの絶望感はすさまじいものがあったが、親が防波堤になることでやっと信頼感が戻ったものだった。
posted by 考える会 at 14:26| 考える会の歴史

まえおき・目次

 「登校拒否を考える会」は、2014年1月に満30周年を迎えました。

 ここに掲載するものは、2月16日に行いました「30周年の集い」の当日資料に掲載した「登校拒否を考える会の歴史」の文章です。

 これまで20周年、25周年と、5年毎の記念の集いの際に当日資料に収録した文章に、25周年から30周年までの分を加筆したものです。

 どうぞお読みになってください。

登校拒否を考える会 代表 奥地圭子
 
 
 
〜目次〜

<1> 発足そして1・2年目

<2> 学校外の居場所づくり

<3> 全国ネット誕生

<4> 「誰にでも起こりうる登校拒否」と90年代

<5> 2000年代

<6> 25周年(2009年2月)より30周年まで


■PDFファイル history30.pdf■をダウンロードしてお読みになることもできます。

資料 ■年表(PDFファイル chronicle30.pdf)■
posted by 考える会 at 14:25| 考える会の歴史

2013年12月24日

月例会は定例通り、第3日曜日の19日です。

2014年1月例会は定例通り、第3日曜日の19日です。

●日にち:2014年1月19日(日曜日)

●時刻:午後1時30分〜4時30分

●会場:東京シューレ王子

 JR・東京メトロ「王子」駅より徒歩5分
詳しい地図
●参加費:700円

●内容:参加者による懇談形式です。

●事前のお申し込みは必要ありません

 ぜひご参加ください。

※2月例会は30周年記念イベントになります。あわせてご予定ください。
posted by 考える会 at 17:57| 月例会のご案内

2013年12月15日

2月16日「30周年」記念イベントを開催

 登校拒否を考える会は、1984年1月、最初の例会を開催し、産声をあげました。
 それから30年。30周年を記念したイベントを、2014年2月の第3日曜日、16日に開催します。

 午前中は、30年という状況に合わせ、この間社会的に認知されるようになったひきこもり当事者と家族のライフプランを考える学習会。

 午後は、奥地圭子が講演で30年間を振り返ったあと、親と当事者が登場して、それぞれの視点から不登校を語り合うシンポジウムを開催します。

 30年で変わったものは何か? 変わらないものは何か? そこから、子どもと関わる中で大切なものが見えてくると考えています。

 もちろんこの会に出会ったのはつい最近、という方も、あら、お久しぶりじゃないですかという方も、皆さん集っていただける企画をしております。

 どうぞ、みなさまご参加ください。

日時●2014年2月16日()10時〜16時30分


時間・内容・会費●
 (午前)
  10:00〜12:00
   学習会(講演)
     「ひきこもり等の世帯の生活設計」
      〜公的制度の活用やライフプランの立て方〜(仮)
  参加費500円

 (午後)
  13:00〜16:30
   奥地圭子講演「登校拒否を考える会30周年を迎えて」
   シンポジウム「親・当事者が語る不登校・登校拒否」(仮)
  参加費700円

  17:00〜18:00
 懇親会(東京シューレ王子にて)
  参加費1000円


会場●(東京シューレ王子向かい)岸町ふれあい館
    交通:JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」 徒歩5分
    住所:東京都北区岸町1−6−17
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主催・お問い合わせ●登校拒否を考える会
 電話03−5993−3136 [info◎shure.or.jp]

(12/27情報追加)
posted by 考える会 at 20:13| そのほかお知らせ

2013年09月23日

10月例会は定例通り、第3日曜日の20日です。

10月例会は定例通り、第3日曜日の20日です。

●日にち:10月20日(日曜日)

●時刻:午後1時30分〜4時30分

●会場:東京シューレ王子

 JR・東京メトロ「王子」駅より徒歩5分
詳しい地図

●参加費:700円

●内容:参加者による懇談形式です。

●事前のお申し込みは必要ありません

 ぜひご参加ください。
posted by 考える会 at 06:28| 月例会のご案内

2013年07月21日

次回例会は、9月第3日曜日の15日です。

8月は例会をお休みします。
9月の例会は定例通り、第3日曜日の15日です。
連休中日ですが、どうぞお出かけください。

●日にち:9月15日(日曜日)

●時刻:午後1時30分〜4時30分

●会場:東京シューレ王子

 JR・東京メトロ「王子」駅より徒歩5分
 詳しい地図
●参加費:700円

●内容:参加者による懇談形式です。

●事前のお申し込みは必要ありません

 ぜひご参加ください。

2013年06月16日

7月例会は定例通り、第3日曜日の21日

 7月例会は定例通り、第3日曜日の21日です。
 どなたでもご参加できる親の会ですので、どうぞお越しください。 
●日にち:7月21日(日曜日)
●時刻:午後1時30分〜4時30分
●会場:東京シューレ王子
 JR・東京メトロ「王子」駅より徒歩5分
詳しい地図
●参加費:700円
●内容:参加者による懇談形式です。
●事前のお申し込みは必要ありません

※8月は月例会はありません。「夏の全国大会」にぜひご参加ください。
posted by 考える会 at 08:27| 月例会のご案内

2013年05月19日

月例会は定例通り、第3日曜日の16日です。

6月例会は定例通り、第3日曜日の16日です。

●日にち:6月16日(日曜日)

●時刻:午後1時30分〜4時30分

●会場:東京シューレ王子

 JR・東京メトロ「王子」駅より徒歩5分
詳しい地図

●参加費:700円

●内容:参加者による懇談形式です。

●事前のお申し込みは必要ありません

 ぜひご参加ください。
posted by 考える会 at 21:37| 月例会のご案内