2008年09月27日

京都の事件を受けて(2)

 京都での「フリースクールでの事件」として報じられている施設内虐待事件について、NPO法人登校拒否・不登校を考える全戸くんっとワークとNPO法人フリースクール全国ネットワークは、次のようなアピールを発表しました。


丹波ナチュラルスクール暴行事件に関するアピール

 ひきこもりや不登校・家庭内暴力などの子ども・成人を寄宿させ預かる「丹波ナチュラルスクール」の経営者らが、9月9日京都府警に逮捕されました。きっかけは、入所者ら12人が鍵つきの部屋に監禁されていましたが、そのうち17日間の怪我を負った女子中学生が脱走し、コンビニにかけこみ、店員の通報で南丹署に保護された事からでした。以後、この施設の日常的暴力、食事、入浴、トイレなどの非人間的扱い、拉致と呼べるような「お迎え」、入所直後従順にさせるための暴行などの実態が次々と明るみに出されました。また、親の面会は初期3ヶ月は禁止、面会も本堂に限られ、生活場面は見せられず、月謝は10万〜20万、入所時に200万〜350万円の多額な費用が入用でした。

 以上のような報道が事実とすれば、これは教育でなく犯罪であり、入所者を暴力で支配する収容所であり、このようなひどい人権侵害は、絶対に許されてはならず、心から怒りをおぼえています。

 また、丹波ナチュラルスクールは、フリースクールと報道されていますが、それについても問題を感じます。丹波ナチュラルスクールは系列としては、かつて似た人権侵害をひきおこした戸塚ヨットスクール、不動塾、風の子学園、アイメンタルスクールと同様、矯正施設といえます。日本にフリースクールが誕生した1980年代、誰も戸塚ヨットスクールなどのことをフリースクールと呼ぶ人はいませんでした。しかし、90年代様々な不登校の受け皿が増えるにつれ、不登校の子どもが行くところがフリースクールと呼ばれるようになり概念の混乱が生じています。

 私たちは、全国約50のフリースクールがつながっているネットワークですが、子どもの権利を守り発展させるために活動しており、子どもを成長の主体と考え、子ども中心の理念に従って活動する団体をフリースクールと認識しています。丹波ナチュラルスクールのような施設は、フリースクールの対極にあるともいえるもので、フリースクールと報道されたための誤解や偏見から発生した風評被害や子どもたちの受けた不安は看過できません。

 また、親の困った状況につけこむかのようなビジネスのあり方にも、気をつける必要があります。親としては、このような、内部を見せない、子どもに自由に会えない、子どもが自由に通信できない、入退所等意志を尊重されない、そしてあまりに高額というようなところは用心が必要です。

では、不登校、ひきこもり、家庭内暴力などで悩んだ親はどうしたらいいでしょうか。全国には親の会がたくさんあり、私たちは現在約60団体がつながりあって、親の学びあい、支えあいをやってきました。そこには、親どうしのたくさんの経験が蓄積され、こんなむごいやり方をしなくても子どもが落ち着き、成長し、それぞれの道を歩んでおります。強引に直してもらう発想ではなく、ともに考えあい、子どもが安心できる道を見つけていこうではありませんか。

 なお、このような事件をおこさぬように、行政の規制を求める声も上がっています。フリースクールは不登校が増加する日本社会にあって、学校以外の子どもの居場所をつくり、子どもや親のニーズに応え、子ども達に喜ばれる活動を創り出してきましたが、いまだに公的支援のない中、ボランティア的熱意によって活動を行なってきています。規制ではなく、行政とフリースクールのよき連携を進めて行くことによって、フリースクールの情報も共有され、このような人権侵害も防いでいけると考えています。

 今後このような虐待事件がおこることのないよう、私たちも、ますます悩んでいる人々とつながり、その努力を行なっていく決意ですが、社会全体が不登校やひきこもり、家庭内暴力の子ども・若者への理解を深め、体罰容認の風潮をあらため、子ども・若者の人権が守られる社会となるよう心より訴えます。

2008年9月25日

NPO法人フリースクール全国ネットワーク
NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
posted by 考える会 at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | そのほかお知らせ
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