2007年09月05日

不登校政策へのアピール

 昨月静岡県伊東で行われた全国合宿のエンディングで、不登校の子ども達に向けた政策について、私たち登校拒否を考える全国ネットワークと、NPO法人フリースクール全国ネットワークが合同で次のような「アピール」を採択しました。

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 私たちは全国から、ここ静岡県伊東に大人・子ども合わせて約六百名が集い、二日間交流し、学び合いました。

 私たちは、不登校の子どもをもつ親であったり、フリースクールの関係者や不登校に関心を寄せる市民であったりする立場から現在の不登校の現状がもっと変わってほしいと思っています。

 八月十日、新聞各紙は今年の学校基本調査速報を発表しました。それによると小中学生の不登校は五年ぶりに増加し、十二万七千人となり、しかも中学生は調査開始以来の四〇年間で過去最高を記録しました。
 文科省は、「いじめ問題等により、無理に登校させなくてよいと考える親が増えた」ことも原因とし、「家庭を中心に登校を促す働きかけを続けたい」と言っています。今回の調査によれば、いじめによる不登校は四六八八人となっており、実数はもっと多いと思われますが、この数字どおりとしても五千人に近い子が、いじめに苦しんで不登校になった事実をどうとらえているのでしょうか。いじめがあっても学校復帰をという考え方では、自殺に追いつめられても不思議はなく、「無理に登校しないでよい」という親が増えたなら歓迎すべきことだと考えます。
 ここ四年間、不登校数が微減であったのは各地の「不登校半減対策」や「不登校ゼロ作戦」などに象徴されるさまざまな登校圧力の結果でありました。そんな、子どもの気持ちを無視した数字減らしは限界があることを今回の五年ぶり増加は示しています。増加したからますます学校復帰を、という対応の仕方は子どもを追いつめるだけです。
 わが国の不登校は、一九七五年以来激増し続けました。莫大な公費をかけた学校復帰政策がとられてきましたが、効を奏することなく増え続け三〇年、今では十二万人台を増減しています。これだけの子どもが学校と距離をとる時代に、学校復帰のみを目指すのでなく、子どもの意思を尊重し、学校以外の成長と学びのあり方も選べるようにすることが必要だと思っています。
 私たちは、全国の経験から、学校復帰を当然とする考え方の中で、不登校の子どもや家族がどれほど否定的な存在とみなされたか、また自分でも罪悪感・劣等感に苦しんだか知っています。多くの心身症状や引きこもり、家庭内暴力、神経症、自傷行為なども、不登校への無理解と無関係ではありません。
 一方、休息の権利を認め、不登校を受けとめ、学校以外のフリースクールやホームエデュケーションなど多様な教育のあり方と出会い、元気に自分らしく成長していった多くの人たちを知っています。
 国や各行政は、不登校政策を今こそ転換し、子どもの最善の利益に立って、学校復帰一本でなく、多様な成長のあり方を認め、公的支援も含め、応援してください。
 また、学校に苦しんで不登校となる子が後を絶たないことから、学校をもっと安心していられる場に変えてください。
社会は、不登校の子どもを偏見の目で見ることをやめてください。
 私たちは全国ネットワーク結成以来、子どもから学び、また多くの人のつながりあいに支えられ、活動してきました。しかし、さほど改善されていない不登校の状況を踏まえ、以上をアピールする次第です。

二〇〇七年八月二六日 登校拒否を考える全国ネットワーク
NPO法人フリースクール全国ネットワーク
posted by 考える会 at 07:15| Comment(0) | TrackBack(0) | そのほかお知らせ
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